おもしろき事もなき世をおもしろく(すみなすものは心なりけり)。

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おもしろき事もなき世をおもしろく(すみなすものは心なりけり)。

先日、NHK大河ドラマ「花神」を見ました。

小説は若い頃に読んだことがあるのですが、ドラマを見るのは今回初めてでした。

大河ドラマとして放映されたのは46年も前ですので、これまでなかなか見る機会がなかったのです。

しかし、今どきネットで昔のドラマでも何でも、いつでも見れますからね、つい発見して見てしまったのです。

さてその「花神」ですが、司馬遼太郎が原作で、維新の十傑の一人であり日本陸軍の創設者として、靖国神社の参道のど真ん中に銅像が建てられている大村益次郎(村田蔵六)が主人公です。

大河ドラマも、当然ながら大村益次郎が主人公ではあるのですが、吉田松陰や高杉晋作、坂本龍馬、河井継之助、伊藤俊輔(博文)など、幕末の有名人たちが、多くの時間を割いてフィーチャーされていて、幕末ファンとしてはとても楽しめるものでした。

また、原作者の司馬遼太郎も絶賛したドラマだそうです。

歴史上の人物を見ていて、よく感じるのは「人はみな、この世に必要として生まれ、役割が終えると早々と命を終えてしまうなぁ」ということです。

高杉や龍馬にも感じますが、中でもこの大村益次郎に最も強く感じます。

蘭学の医師として学んだ大村益次郎が、戊辰戦争では東征大総督府補佐となり勝利の立役者となるなど、思いも寄らないことです。

しかし、彼の存在なくして戊辰戦争の勝利は無かったと思いますし、その後、西南戦争も予言し陸軍の基盤を作るのですが、その後、すぐに暗殺されてしまいます。

坂本龍馬も大政奉還を実現後すぐに暗殺、高杉晋作も役目を終えると、すぐに結核で亡くなってしまいました。

いま挙げた三名は偉業を成し遂げた有名人ではありますが、決して有名な偉人だけが「この世に必要として生まれ、役割が終えると早々と命を終えてしまう」訳ではなく、それは誰しもそうなんだろうとも思うのです。

そしてそれを思うと、高杉晋作の「おもしろき事もなき世をおもしろく(すみなすものは心なりけり)」という辞世の句が思い浮かんできます。

要するに、世知辛い人生でも、楽しみながら今を生きるしかない、そして皆役割を果たし人生を全うするのだ、という事なんでしょうね。