先祖に想いを馳せる。
幼い頃から夏と言えば、セミの声と高校野球と終戦記念日とお盆が記憶の中のセットとなっています。
物心がついた頃に親戚の伯父さんから「お盆になるとご先祖様があの世からこの世に帰ってくるんだよ」と教わったのがお盆とはそういうものかと知った最初の記憶です。
伯父さんの話はこう続きます。
「そこの庭にある石を見てごらん。顔みたいに見えるだろ?あれば帰って来たご先祖様の顔なんだよ」
と、おもしろがって怖がらすために言っていたのか真剣に言っていたのか分かりませんが、その時に子どもなりに先祖という親近感と共にあの世から戻ってくるという畏れを同時に理解したように思います。
先日、ちょっとしたきっかけがあり、ご先祖様の名前を調べみました。
父を含め殆どの伯父さん伯母さんが他界しており、久しぶりに数人のいとこに連絡して聞くも、曾祖父と曾祖母までしか名前は分からないとのこと。まあ仕方ありません。
父が亡くなった際、伯父さん伯母さんに、父の子どもの頃の話や私が生まれる前に既に亡くなっていた祖父の話などは聞いていましたが、曾祖父母の話なども聞いておけば良かったと今になって悔やんでいます。
私も私の親も、自分のことを積極的に話さなかったように、誰しも聞かれない限り、自分からは話さないでしょう。
NHKの番組「ファミリーヒストリー」を見ていても、親のことを殆ど知らない有名人が多かったように思います。
だからこそ、聞ける時に聞いた方が良いし、伝えられる時に伝えた方が良いと本当に思います。
先祖を知ることは自分を知ることに他なりませんし、ご先祖様のお陰で今があると分かると自己肯定感を持つきっかけにもなると思います。
ちなみに先祖をどんどん遡り、10代まで遡るとその数は約2千人にもなり、20代まで遡るとなんと約200万人です!
20代前と言えば、4〜5百年前。「本能寺の変」が1582年ですからその辺りでしょうか。
2千でも200万人でも、その誰か一人が欠けていても自分は存在し得なかった訳ですから、ご先祖様方のお陰でしかありませんよね。
お盆という良い機会ですから、ご先祖様方に想いを馳せ、今を感謝して生きていきたいですよね。