にぎやかな天地~丸山純男の言葉
宮本輝の「にぎやかな天地」という小説があります。「日本の発酵食品」を題材として取り上げ、テーマは「時を経る・・・」ということ。
その中で、六十歳をとうに過ぎた丸山純男という人物がこんな台詞を言う場面があります。
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「死ぬ前の、いったい何年間が満たされたら、人間は幸福やろって考えたんや。(中略)いろいろと悩みはかかえとるが、ああ、人間に生まれてきてよかった。頑張って生きてきてよかった・・・。そういう時間を、人は人生の最後に何年間くらい持てたらええのかなァと考えたんや・・・」。
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その後、丸山純男は、自分が考える最後に満たされたい期間を5年だと言いました。
僕自身は、昔から、最後の死ぬ瞬間さえ幸せだと思えればいいと思っていました。
しかし、最近は、こう思っています。いまのこの一瞬一瞬を幸せだと思い、それを積み重ねたいと・・・。皆さんはどう思い、考えるでしょうか。今この年齢になり、改めて感じてます。